真夜中のコーヒーブレイク
90%ノンフィクション STORY
第一話(501シリーズ)
登場人物
店員= 30才 男 独身
お客様= OL 20ー25才

自己満足の世界ですので、そこのところをよろしく!
ご感想アンケートもありますのでこれもまたよろしく!


店員 vs OL

店の外はもう暗くなりはじめている。定期的に電車がくるたびに、また、定期的に
帰宅の人達がいつものように店の前を通って行く。店内では、店員お気に入りの
湘南ビーチFMよりスローなジャズがかかっている。今日も良い選曲である。


店員 : 「いらっしゃいませ!」 ・・・会社帰りのOLだな。

OL : 間違って?メンズ ジーンズの方へいってしまう。

店員 : すかさず、カウンター越しに、「そちらの方は、メンズジーンズでございます。
レディースは、反対側ですのでそちらヘどうぞ。」

OL : 「ア、ハイ。」 ・・・ちょっと恥ずかしそうに、垂れた髪を耳にかけながら
店員に会釈する。しかし、そこを動かない。棚を物色している。

店員 : ・・・カレシのジーンズを探しているのか?、それとも自分のか?
見極めようと、カウンター越しに、OLの様子を何気なく観察する。
ウゥーン「可愛い」・・・きっと自分のジーンズを探しているのだろうと
勝手に解釈する。その思い込みで、カウウター越しに声をかける。
「どのような物をお探しですか?」・・・<ウゥ、声が上ずっている。>
店員は、経験上知っているのである。最初の一声に対する、お客さんの
リアクションで、買う気があるのかないのかが・・・だから、何年やっていても
その時にプレッシャーがかかるのである。

OL : 「男物でいいんですけどぉー・・・」・・・501の棚に手を当てている。

店員 : ・・・<オォーいい感じだ!501を見てる、>・・・店員は、メンズものの501をはきこなす女性は、センスが
いいと思い込んでいるらしい。彼女を見る目が変わり一目置く。目的は、501か?
すかさずカウンターから、出て、彼女圏内に近ずきながら、
「それは、501ですね、フロントがボタンのやつです、最初は使いずらいですけど、なじんでくると
意外に簡単ですよ」・・・
といいながら、一本501を棚から出して、いっきに広げてシルエットなど見せる。

OL : 「ボタンなんですよねぇー」・・・つぶやきながら店員の顔を見ず、501ばかりじっくり見ている。

店員 : <オッ、カレシのではないな、自分のだな!買う気があるぞ>・・・内心気合が入る。しかし、まだ目を合わしてくれない
少し不安が残る。店員と目を合わせようとしないお客は、80%冷かしか、万引き犯である。
タイミングを計って、・・・「もし、よろしかったら試着してみてもよろしいですよ」、・・・とさぐりをいれる。
彼女のリアクション待ち・・・・店員、内心不安になりつつ彼女の全挙動を観察する。

OL : 「ええ」・・・沈黙

店員 : まずい沈黙だ!何か話さなければ・・・ 「レディース501もありますけど、実際はアメリカやヨーロッパの女の子達は、
昔から、メンズの501をはきこなしているんですね、股上が浅いから
ヒップで、合わせてぴったりはいたり、ルーズにはいたりしているですよ。
メンズ501は、いろんなはきこなしができるし、オリジナルでしたら色落ちも楽しめますよ、」
といいながら、店員勝手に、ORカラーの未洗いのバリバリ501を彼女の前に差し出す。

OL : <バリバリの501を見て、目が輝きはじめる。まるで探していたものが見つかった時のように。。。
きっと雑誌か何かを見て知識を多少持っているのだろう>

店員 : <彼女、もしかして501はじめてだな、と推察する。
ここで押し売り販売は避けたい、と 他のものも取り出す。
他の対抗馬を見せるのも一つの販売方法である。>
「こちらのは、ジッパー版の501の505−02です。形は股上浅めの
タイトストレート501とシルエットは似てますね、だけど加工過程が違って
501は、原型そのままの起毛落とし加工をしていません。ね、違うでしょ!」
と彼女に触らせる。やっぱし店員501を売りたいらしい。
<この子に501をはいてもらいたい、きっと似合うはずだ!>内心そう思っている。
<足が、しまってちょっと長め、ヒップ若干大きめで、ヒップアップして、ウエストがくびれていそうだ。
男物の501が似合体型だ!>・・・日本女性では、まだまだ少ない体型である。

OL : はじめて店員の目を 笑顔で見る、「はいてみていいですか?」

店員 : 思い切り一番の素敵な笑顔だとおもっている笑顔でにっこりと 、笑顔でかえす・・・
「ハ、ハイ!、どうぞ!色はどれにいたしますか?」 ・・・まるで初心者の店員のように応対する。
プロのような接客マニュアルはかえって相手を緊張させるものである。

OL : 「あ、これでいいです」

店員 : 「あ、こちらですか?」・・<やはりなにも知らないらしい>
「ウゥーン、これはですね、まだ未洗いのままで、洗うと大変詰まるんですね、
その最終詰まりのサイズがここに書いてあります。今試着してみても参考になりません。
お客様がこの501−ORをどのようにはきこなすかによって、サイズが決まってくるのですよ。
あのう、どのようにはかれますか?」

OL : 「ゥーン」・・・悩んでいるが目は輝いて、今の雰囲気を楽しんでいるかのようである。

店員 : 「普通に腰に合わしてピッタシはくか?、少しゆったり目にはくか?
腰に引っかけてルーズにはくか?といった具合ですが、・・・」

OL : 「普通でいいです」・・・<とにかく501を一本持ってみたいが、経験がないので不安そうな顔である>

店員 :「 はい,では、お客様の普段のジーンズサイズはおいくつですか?」
ここは、ズバリきくしかない。お客様にサイズを聞く時は結構難しいものである。特に若い女性は気を遣う所だ。

OL : 「えぇー27?いや28インチかなぁー」・・・<とにかくはっきり言わないのが常である>

店員 : <もう彼女が店に入ってきた時からサイズは、チェック済である。長年やっていると
見ただけでお客様のサイズがわかるようになるのである。>
・・・ウゥーン、29以上はあるな、
では、ほとんど詰まり終わっている ワンウォッシュカラーの方でサイズを確かめますので
ジャスト合うサイズで、OR のサイズを決めますね。それでよろしいですか?」

OL : 「ハイ、お願いいたします」・・・<50%買うつもりで覚悟している様子である>

店員 : 「では、どうぞ、試着室へ、今、ジーンズお持ちしますね」
<良し、もう一息だ・・・と思っている・・・70%買ってくれるだろうと勝手に思っている>
<一服したい気分だ、PM6:30か、まだ彼女が入ってきてから5分もたっていない意外と早い>

OL : <試着室の中に入る>

店員 : ・・・ワンウォッシュの501をサイズ違いで2本持っていく。
黙って、28インチ、と29インチを、2本試着室の彼女に渡す。
「ハイ!どうぞお試し下さい。」
いくつのサイズを渡したか決して彼女に言わないのである。

OL : ・・・<はじめにどちらをはくか、サイズを見て迷うが、すぐ1本決める。28インチだ>
・・・サイズを確かめても、なにも言わず、はきくらべる。>
その間、1ー2分・・・

店員 :・・・ 長年の感で、その頃合いを見て、声をかける。絶対にジャスト決まったジーンズを
はいている時に声をかけるのがベストである。脱いだ時に声をかけると、試着室から出てきてしまう。
それでアウトだ!・・・
「いかがですか?」・・・不安と期待とが入り交じったトーンである。

OL : 「ウゥーンこれが良いみたい」・・・試着室のドアを開ける。

店員 : すかさず、中に置いてある501を確かめる・・・28インチだ!やはり29をはいている。
サイズのことはなにも言わない。
「どうぞ、外にも鏡がありますので、どうぞ、」

OL : 靴を突っかけて出てくる。501のシルエットを丹念に見る。・・・これが意外と長いのである。

店員 :彼女の挙動を何気なくそして鋭く観察する・・・、 <やはり、29でジャストだ!こらなら大丈夫だ、決まる!>
自信をもって言う。
「とても、シルエットがきれいですね」「良いですよ、なかなか」 ・・・

OL : 「え!、そうおーですか?」っていって、必ず、ヒップラインを鏡に向けてみる。
ここで、何か、不満、欠点を口にすると、決まらない可能性が大きい。

店員 : 彼女のまんざらでもないリアクションに、<いい感じだ> いける。
<ここはじっくり鏡を見させよう>・・・沈黙=プレッシャーである、時には必用だ。
・・・彼女の次の言葉を待つ。それで決まる。

OL : 「今、はいているのは、もう洗って詰まっているんですよねぇー」

店員 :「はい、未洗いの501を2ー3回洗うとだいたい、今、はいてらっしゃる501のサイズに
なります。ですから、OR の501のサイズは、今はいてらっしゃるこのサイズで、お買い上げに
なっても大丈夫ですよ」・・・そのサイズをカウンターにおいて見せる。29インチである。
そして 一言、「このオリジナルから、お客様次第で独自のオリジナル501を作って行くんです
1ー2年後にきっとあなただけの501が出来上がっているはずです。
それが、オリジナル501の楽しみかたですね」 と、店員自信の501に対する接し方を、披露する。

OL : ・・・店員の目を見ながら・・「丈は長そうですけど、・・・今、切っていただけるのですか?」

店員 : 「え!どちらをお買い上げになられるのですか?」

OL : <手で、カウンターに置いてある、オリジナル501を、可愛くまっすぐ指差す。彼女の目は、上目ずかいだ。>

店員 : 彼女の可愛いしぐさに、ぐっと,顔をゆるめず、プロの販売員の顔になって・・・「はい、こちらですね、ありがとうございます」
<彼女の目を見て、買っていただける嬉しさと、お買い上げの了解を、目をとうして伝える>
「オリジナルの方でしたら、そのまま一度お持ちになられまして、2、3度、お洗い
になってから、また、お手数ですがお持ちください。洗う際は、漂白剤、蛍光剤など
混入している洗剤は避けた方よろしいでしょう。それと、単独で洗った方が
色落ちがしますので、安全ですので、その方がよろしかと思います。ハイ。」
「もちろん、お持ちいただいた時は、無料で丈上げ致しますので、ぜひ、お持ち下さい。」
<いっきに501−ORの注意事項を教える>

OL : 「あ、はい、わかりました。いろいろすみません」 ・・・なぜか、恐縮顔である。

店員 : 501を大事に袋にしまって手渡す。もちろん彼女の目を見て、
「ありがとうございました」と、心から伝える。

OL : 彼女も店員と目を合わせて、笑顔でちょこっと会釈
「どうも御世話様でしたぁー」 と言って、店を出て行く。

店員: <ちょっとしゃべりすぎて、押し売りしちゃったかなぁーと感じつつ
満足して買っててくれたかなぁーと、いろいろ反省する>・・・・やっとわれにかえるように 店内にながれる曲にきずく・・・
<心地よいスローなジャズが聞こえる、良い曲だ ・・・>

1週間後

元気よく一人の女性が笑顔でまっすぐカウンターに向かってくる。

「こんにちはぁ嗚ー!!・・・・・・」

店員 : 誰だか気ずかず?その彼女の勢いで同じく
「こんにちはぁ嗚ーぁ、ぁ、あ!・・・・」

FIN

願わくば、ご感想を下記より選び送信して下さい。いくつでもよろしいです。

つまらなかった
少し面白かった
ためになって良かった
店員の心理がわかって面白い
もう2作目は作らなくてよい
2作目にチャンスをあたえる
2作目も期待する
面白いから2作めも作って!
ご勝手にどうぞ!

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